新NISAいつから始まる？現行NISAとの違いも分かりやすく解説

最近ちまたで新NISA（しん ニーサ）という言葉がよく聞かれるようになりました。
そこで本記事では、新NISAがいつから始まるのかという疑問から、現行のNISA制度との違い、そもそも現行のNISA自体をよく知らない、という方向けに、現行のNISA制度についてもわかりやすく解説します。

NISAを始めてみたいけど不安だという方は、ぜひチェックしてみてください。

新NISAいつから始まる？特徴は？

新NISA制度は、２０２４年１月から開始される予定です

現行NISAからの変更点をまとめると、このようになります。

ここからは、主な変更点３つを詳しく解説します。

つみたてNISAと一般NISAの併用ができる！

現行NISAでは、つみたてNISAと一般NISAの併用ができませんでした。
そのため、自分の投資スタイルに合わせて、積み立て投資でコツコツか、値動きの激しい投資商品でがっつり投資するか、どちらか一方を選択する必要がありました。
ですが新NISAでは、それぞれ年間・生涯上限金額は決まっているものの、つみたて投資枠と、成長投資枠（≒現行の一般NISA）を併用することができます。
そのため、最初はつみたて投資から初めて、投資に慣れてきて金融知識も高まったら、株など積極投資にも挑戦してみるという方法も可能になります。

投資可能期限を撤廃！非課税期間が無期限に！

新NISAは、これまでの「期間の縛り」が撤廃され、永久に使える＋非課税期間も無期限の制度に生まれ変わります。

現行NISAでは、一般NISAであれば「２０２３年」、つみたてNISAであれば「２０４２年」までに購入した投資商品が非課税の対象、という期間の縛りがありました。
そして、その期間内に購入した商品であれば永久に課税されないわけではなく、一般NISAであれば購入から５年間、つみたてNISAであれば購入から２０年間までが、利益に課税されない期間と定められていました。

そのため、例えば一般NISAであれば、２０２４年に購入した投資商品は課税されてしまいますし、２０１８年に購入した商品が値下がりしてしまって「まだ利益を確定したくない！」という状況であっても、２０２３年には有無を言わさず売却（もしくは課税口座に移行）しなければならないルールでした。
こうした「期間の縛り」が、NISAを始める足かせとなっていた方もいるのではないでしょうか。

ですが、新NISAからは制度が恒久化、つまり永久に使える制度に生まれ変わります。
そして、非課税期間も撤廃されるので、『いつ始めてもOK、いつ辞めても（＝売っても）OK（＝非課税）』という制度になります。
もうちょっとお金を貯めてからNISAを始めようと思っていたけど、制度の期限が、、、と悩んでいた方にとっては朗報ですね。

年間・最大非課税投資可能額がアップ！

新NISAでは、つみたて投資可能枠が年間４０万円⇒１２０万円までアップ、成長投資枠（≒現行の一般NISA投資枠）が年間１２０万円⇒２４０万円までアップします。

ただ、制度が恒久化されるとはいえ、この年間投資枠の範囲内で一生非課税で投資ができるわけではありません。
制度が恒久化されることに伴い、一個人が生涯に非課税で投資できる上限額が設定されます。
「なんだ、結局縛りあるじゃん。」
と思った方もいるかもしれませんが、その上限というのが、なんと「１８００万円」なのです。上限まで使い切れる人はいるのだろうか、と疑ってしまうような額です。

仮に「この上限枠を最速で使い切りたい」と思った場合、
積み立て投資年１２０万＋成長投資年２４０万＝３６０万
１８００万円÷３６０万円＝５年
つまり、最短５年で生涯非課税投資枠を使い切ることができます。

「じゃあ、仮に５年で生涯投資枠を使い切ったら、その後はもうNISAを受けられないんだ～」
と思うかもしれませんが、なんと、この生涯非課税投資枠は、売却（利益確定）することで復活します。
とことんすごい制度です。

新NISAを使いこなすことで、上限内であっても十分お金持ちになれる制度だと言えるでしょう。
もちろん、投資初心者の方は、「長期」×「分散」×「積立」をひたすらにコツコツと続けて、老後の豊かな暮らしに繋げていってもらえればと思います。

現行のNISAはどんな内容？

そもそもNISAってなに？
という方向けに、現行のNISAについても少し触れておきましょう。

NISAとは、少額投資非課税制度のことを指します。
通常、事業主であれば事業によって得た所得に対して、会社員であればお給料に対して所得税が引かれます。それは投資も同じです。
投資で得た利益も課税対象のため、利益に対して通常は20.315%の税金が引かれます。
ですが、このNISA制度を利用すると、上限金額以内であれば投資の利益に対して課税されません。

「上手い話には裏がある」と考える方のために補足すると、皆さんは「老後2,000万円問題」という言葉を覚えているでしょうか。
今後少子高齢化がさらに加速した未来では、今の水準で年金を貰えない可能性があり、金融庁が「老後20～30年間で、約1,300～2,000万円が不足する」という試算を発表したことが「老後2,000万円問題」と言われています。
この数字はあくまでも試算に過ぎませんが、少子高齢化が進んでいること、年金制度が変更される可能性が高いことは紛れもない事実です。
国が国民にお金を配って助けてあげたいけれど、保守的かつ過去には銀行金利でお金がどんどん増えていった時代を経験している日本人にいくらお金を配っても、みんな銀行に預けるだけ。それでは経済も回らないですし、国民の金融リテラシーも上がりません。
そこで国は、国民に魚を与えるのではなく、魚の釣り方を覚えさせようと考えたのです。
国が優良な投資先を選定し、少額であれば利益を非課税にする投資制度を始めることで、老後は国の制度に頼ることなく生きていける国民を増やそうとして、この超お得な制度が始まりました（一部個人的な見解も含む）。
この背景を知れば、このお得な制度がなぜ存在するのか、そして活用しないことがいかにもったいないかを理解いただけたと思います。

現在世間で「ニーサ」と呼ばれている制度には、「一般NISA」と「つみたてNISA」の２種類があります。
※「ジュニアNISA」は未成年対象のため、ここでは割愛します。
それぞれ詳しく見ていきましょう。

一般NISAとは

一般NISAは、２０１４年１月にスタートしました。
一般NISA制度では、年間１２０万円を上限に投資益を非課税で運用することができます。
上限金額が大きい一方で非課税運用期間が５年間と短いため、仮に５年後（もしくは５年の間）にリーマンショックやコロナショックなどの大きな金融危機が来てしまったら、運用益が出ないどころか、マイナスで投資を終えてしまうこともあります。
そのため、既に投資経験があり、ある程度売り時や買い時を見定めることができる方に向いている制度と言えます。

つみたてNISAとは

つみたてNISAは、２０１８年１月に開始されました。
つみたてNISA制度では、年間の非課税上限金額が４０万円と少ない一方で、最長２０年間もの期間非課税で運用することができます。
また、選べる商品は、長期投資に適した「分散」の効いた「低コスト」なファンドが多いところが特徴です。
つみたてNISAでは毎月一定額を投資するため、売り買いのタイミングに頭を悩ませることなく、ほったらかしで投資をすることができます。
そのため、投資初心者や、本業や家事育児が忙しく、逐一投資成績を見ていられないという方にも適した制度です。

NISAでも損することはある？

投資である以上、損するリスクは少なからずあります。
しかし、今銀行の普通預金にお金を預けていることも、無リスクではありません。
例えば最近、食料品からサービスに至るまで、値上げラッシュが続いていますが、それは物価が高騰している、すなわちインフレが起こっているからです。
昔は10円で買えていたチロルチョコが、20円、23円と徐々に値段を上げているように、今後も物価が上がっていった場合、ずっと口座にお金を放置していると、それだけ現金の価値が減っていきます。
口座に入れていても損をしているのだから、リスクを最小限にした投資を行うことこそが、損しないための重要な選択だと言えるでしょう。

そして、つみたてNISAは、そんな“損することを恐れる人のためにある制度”と言っても過言ではありません。

投資初心者につみたてNISAがおすすめされる理由は、
投資の正攻法とも言われる「長期」×「分散」×「積立」ができるからです。

投資はやってみなければ一生理解できません。
私も、投資の第一歩はつみたてNISAからでした。
これまで投資や金融の知識が一切なかったものの、投資を始めたことで関心が広がり、資産運用の知識が後からどんどん付いてきました。
そのため、よくわからないからこそ、まず始めてみることをおすすめします。
楽天証券やSBI証券では、ポイント投資もできるため、手元のお金を減らしたくない方にはおすすめです。
また、証券口座によって異なるものの、つみたてNISAは100円といった少額から購入できるため、毎月一回ランチをお弁当にしたり、自販機で飲み物を買わないようにしたり、元々浪費してしまっていた部分を投資に回すことで、万が一損をしても家計への負担を抑えられるはずです。

まとめ：新NISAを活用して賢く資産運用しよう

これまで、NISAという言葉は聞いたことがあったけど始めていなかった方にとって、今回のNISA制度の改良は良いきっかけだと言えるでしょう。
投資においては、「入金力」よりも「時間」こそが最強の武器だと言われています。
少額であったとしても、まずは始めてみることが資産形成の第一歩になることでしょう。
NISAを始める上でのおすすめの証券口座やおすすめ商品は別の記事で紹介するので、そちらをご覧ください。
NISA制度を活用して、銀行口座でスヤスヤ眠っている怠け者のお金にもしっかり働いて稼いでもらって、豊かな生活を歩んでいましょう！